壁から突き出す陽物たち

壁から突き出す陽物たち

だんだん気候も暖かくなってきましたね。

皆様こんにちは 春画―ルです。

 

今回は春画の表現で「これおもしれえな」と思ったものをご紹介します。

 

テーマは

「壁から突き出す陽物たち」

 

 

陽物とは男根のことです。

春画を見ていると絵だからこそできる大げさに誇張した表現がたくさんあるんですよね。

そもそもみなさんがよく見る日本の春画の形態は中国からの「おん息図(おんそくず)」「春宮画」に影響を受けているのですが、男女ともに性器は小さく(というか通常サイズ)で描かれています。(上の絵参照)

これが日本で進化し、巨大な縁起の良い男根表現へと変化していきました。

 

この巨大な男根が活かされる表現として、男根が壁からまるで生物のようにニョキッと突き出す表現があるのです。

 

聞くだけではなんのことやらサッパリですよね。

ではさっそく見ていきましょう。

 

菱川師宣《床の置物(とこのおきもの)》より。

目を疑うのは床の下に隠れている男性。しかも床に穴を開け、そこから男根を出しています。

これは「すのこがくれ」と呼ばれる体位です。

彼女たちは屋敷に勤める奥女中たちです。

彼女たちは奥に勤めており、自由に外出して恋人と会ったり、屋敷の中で性欲を充分に満たすことはできなかったようです。

そのため設定として

「男性と交わりたい」という欲求のもとに、この本の内容は描かれています。

他のページでは張形(はりがた)と呼ばれるセルフプレジャーに使う性具を奥女中たちが御錠口で選んでいる絵もあるのだが、この場面ではとうとう性具ではなく男性と交わってしまいます。

「早くわたしと交代してください」

「早くどいてよ」

と奥女中たちが取り合いをしています。

誰かが来る前に済ましてしまわないとという必死さが伝わってきますね。

こちらは吉田半兵衛《源氏御色遊(げんじおいろあそび)》より。

 

「なんだ、またすのこがくれか」と思ったあなた、実はこれさっきの絵とは違って肛交なんです。

 

絵には「下男早業にて娘を尻にてやる事」と書いてある。

 

おそらくこのお金持ちの屋敷に勤める下男であり、この屋敷で大切に育てられている娘とこっそり交わっているのだろう。(こっそり??)

 

肛交だから誰にも気づかれないということだろうか。

お次は勝川春章《会本腎強喜(えほんじんこうき)》より。

なにやら男性が襖の隙間から陽物を出して何か言っています。

彼はこの家に来た養子の息子のようです。

「この家に来たのも、おふくろ(義母)に気があるから。毎晩こうしてするよって襖のふちが剥げてしまった。おやじ(義父)が目を覚ましたようだ。いい塩梅の陰門(ぼぼ)だ。(陰水を)出すわ出すわ」

なんということでしょうか。

彼は隣りの部屋で義父と寝ている義母と毎晩こうして交わっているなんて。

急いで次のページをめくってみましょう。

あらまあ。

 

義母は始末紙を手に持ちおしりを突き出しています。義父は何か異変に気づき寝ぼけた顔で義母に話しかけます。

 

義父「これお母さんや、また癪(しゃく)の病が起こったか?お前がうなるから眼が覚めた。

毎晩の癪には困ったなあ。」

 

義母「わたしがうなるのは持病だから気にしないで寝ていて。もうちょっとで癪はおさまるよ」

 

どうやら毎晩のこの養子の息子との交わりを

持病によるうなり声ということにしてごまかしているようだ。

 

興奮する春画というより、毎晩の息子と奥さんの交わりに気づかない旦那と息子と義母の秘密の関係を第三者目線で笑いながら観察するという設定のストーリーですね。

襖の縁がはげるほど毎晩このシチュエーションで交わるとなると、一体この関係はどのくらいの期間続いているのでしょうか。

 

 

古来より性と笑いは密接な関係にあると考えられており、笑いや性を正しく満たすことは健康に繋がるという考え方がありました。

 

読者さまがクスリと笑える絵が一枚でもあれば幸いです。

 

 

《参考文献》

白倉敬彦「春画の色恋」

 

 


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カンレン

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