ライブハウスの怖い話

ライブハウスの怖い話

筆者は体験者から聞き取った話を中心に怪談を執筆しているが、これまでに少数ながら

自分が霊体験をしたこともある。

 

怪談師をしていて、よく尋ねられることの一つに

「霊感があるのですか?」

というものがある。

これは職業をつけた後に9割の確率で問われる。

だが、あるなしで言えば、おそらく筆者に霊感はない。

 

ただ、霊感という言葉がかなり曖昧だと思う。

霊感はあるなしではなく強い弱いではないかと、最近では思っている。

そのため、日常生活の中ではなかなか見えなくても、

心霊スポットや何かしら霊感の強い人間が集まった時など、あるいは

謂れのある土地の上に立っている建物などにいる時、そういう体験が起こりやすい。

 

例えば質問がこうであったら返事は変わってくる。

「これまでに怖い体験をしたことはあるんですか?」

それであれば 、答えは「はい」だ。

 

筆者はこの世のものではない存在との関わりがあった時、最近では「チャンネルが合った」

という言い方をしている。

例えば コミュニティFM などの電波が該当地域を出ると聞き取りにくいように

(渋谷の FM を千葉で拾うのは難しそうだ) 普通に日常生活を過ごしている間では

なかなかそういった体験はない。

 

覚えている中で印象的だったのは、私の単独ライブの会場で起こったことだった。

デビューして2年が経つ頃、自分が看板のイベントを行った。

イベント会場は四谷だったため、私は構成作家のはやせやすひろさんと共に四谷の神社を

お参りした。

そのお参りした動画をイベントの冒頭で流し、イベントが始まった。

 

その会場では何度かイベントを行ったが、怪異がなかったという回は一度としてなかった。

 

出演者の中に霊感のある方がいた時、ステージ上で私がその方に

「何か見えますか?」

と言うと、

「今もいるよ。一番後ろに」

と答えた。

 

お客さんはすべて椅子に座っており、立ったままのお客さんは一人もいなかったので、

客席は静かにどよめいた。

その方曰くマネージャーのような女性がぶつぶつと何か言いながら、ずっと壁に

凭れるようにして立っていたそうだ。

 

中でも一番恐ろしかったのはエレベーターであった。

ライブハウスは地下一階で、楽屋は四階にあった。

夏目夢子という怪談師がゲストで出てくれた回が無事に終わった後、

当時のマネージャーがこう言った。

 

「お疲れ様でした。

じゃあ、志月さんと夢子さんは着替えてきてください。

僕は階段で一階に上がって待ってますんで」

 

私たちはエレベーターに乗り込み、四階のボタンを押した。

頭上の階数表示が上がっていく。

「今日本当にありがとうね、おかげで本当に助かったよ」

などと他愛ない話をしていると、エレベーターがいきなり止まった。

(あれ?もう着いた?)

 

静かに扉が開く。

私は厭な予感がして、扉の向こうを見ることが出来なかった。

ただ視界に入る足元が、真っ暗だったのを覚えている。

 

「ねえ……」

後ろから夢子の声がした。

「かなでちゃん……階数表示がついてない……」

 

私は恐ろしくて、扉の「閉」ボタンを押し続けた。

とにかく逃げたかった。

エレベーターの扉が閉まる。

エレベーターが動いている間、二人とも何も言葉を発することが出来なかった。

 

次に扉が開いた時には、なぜか一階に着いていた。

 

「あれ?まだ着替えてないんですか?」

一階で私たちを待っていたマネージャーがきょとんとしていたのを覚えている。

 

扉の向こうが真っ暗闇であるとき、降りてはいけないとされている。

一度降りると、元の世界に帰ることが出来なくなるのだそうだ。

あの時、私たちは異界に迷い込んでいたのかもしれない。

 

その他にも筆者の体験は複数あるので少しずつ紹介していきたい。

 

 

ここまでお読みいただきましてありがとうございました。

 

実話怪談があるよ!

記事にしても良いよ!

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お気軽に私のメールアドレス(roudokuradio★gmail.com ★は@に変えてくださいね)

までお寄せくださいませ。

 

その際箇条書きで構いませんので怪異体験のことを簡単に記してありますと大変助かります。

(何年前・どこで・こんなことがあった、など)

 

志月かなででした。

 

 


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カンレン

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