
去る3月15日に、私は「志月かなでの怪談サロン」のメンバーと一緒に
都内を散策するミステリーツアーに出かけた。
もともとやりたいねという話をしており、サロンのメンバーのほかに芸人のひで麿さんや、
当日初めてお会いする方々も含めてゆったりと歩くことになったのだ。
このツアーの内容を、二回に分けて掲載する。
怪異のみならず、パワースポットを交えたルートであるので、読者の皆様も機会があれば
歩いてみていただきたい。
当日は14時頃に集まって2時間ほど歩いて解散するというルートだった。
集合は大手町。
大手町と言えばピンとくる方もいるかもしれない。
勿論、将門の首塚である。
筆者自身、この場所にまつわる様々な心霊体験を耳にしている。
おおよそが
「行くと体調が悪くなる」
「何か悪いことをして罰が当たった」
という内容であったが、実際にその日集ったサロン生の中でも
“ここだけは足を踏み入れられない”
という人がいた。
Tさんという男性である。
「Tさん、一体ここで何をしてしまったんですか?」
私が尋ねると、Tさんは言葉を濁しながらこう答えてくれた。
「詳しくは言えないんですが……、昔、この場所で複数人で悪さをしまして……。
その後、自分も嫁も体調不良に苛まれたんです。
それが手術を伴うような大きなもので……。
今日、また首塚に行ってきたと言ったら嫁に怒られるので秘密で来たんですよ」
身近に怪異の体験者がいたことに驚きつつも、我々は首塚を後にした。
首塚では、お経ではない何かをブツブツと喋っている方がいたり、
神社のように参拝する方がいたりと、常に人が絶えない状態だった。
昼でも少しひんやりとした空気があり、神聖な場所であると感じた。
▶将門の首塚 〒100-0004 東京都千代田区大手町1−1
平将門の首を祀っている塚。
将門塚とも呼ぶ。
将門の首級は平安京まで送られ都大路で晒されたが、3日目に夜空に舞い上がり
故郷に向かって飛んでゆき、数カ所に落ちたとされる。
伝承地は数か所あるが、そのうちのひとつ。
その後、三越前を経由して福徳神社を参拝した。
ビルとビルの間にある神社で、赤い大きな鳥居が印象的である。
神社に伝わる略記によると、貞観年間(清和天皇・860~876年)には既に鎮座していたようで、
真新しいビル群の合間に歴史を感じることが出来る。
余談だが、筆者は最近こちらの福徳神社によく参拝している。
(おそらく、年が明けてから一番参拝しているのではないかと思う。)
主祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀っている。
(『日本書紀』では倉稲魂命(うかのみたまのみこと)、古事記では宇迦之御魂神
(うかのみたまのかみ)と表記する)
「宇迦」は穀物・食物を意味し、「ウケ」(食物)の古形で、特に稲霊を表す。
「御」は「神秘・神聖」、「魂」は「霊」で、名義は「稲に宿る神秘な霊」の意だ。
福徳神社にはその他太田道灌、七福神の一人である弁財天(べんざいてん)、
天下泰平の世を作り出した徳川家康(とくがわいえやす)も合祀されており、特に
宝くじの神さまとして有名である。
『ランチタイムdeお祓い』など、新たな試みを行っている神社で、この日は
『新型コロナウイルス感染症流行鎮静祈願短冊』が置かれていた。
参拝日から5日後の3月20日に「鎮静祈願祭」を行ったそうで、当日の参列が出来ない代わり、
記名の上授与所に渡せば当日神前にお供えされるとのことだった。
▶福徳神社 東京都中央区日本橋室町2丁目4−14
その後、薬祖神社を参拝。
御祭神は薬の神様である、大己貴命、少彦名命である。
日本橋本町は製薬会社の本社が集まっているが、これらは江戸時代から薬種問屋が
軒を連ねていた名残でもあるという。
玉垣には製薬会社の名前が沢山刻まれていた。
ここで健康を祈願し、一行は小伝馬町へと向かった。
▶薬祖神社 東京都中央区日本橋室町2丁目5−8
→2へ続く
ここまでお読みいただきましてありがとうございました。
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志月かなででした。
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