あの九尾の狐にはいくつもの顔があった?(後編)

あの九尾の狐にはいくつもの顔があった?(後編)

先日、前編を書かせて頂いた「あの九尾の狐にはいくつもの顔があった?」

の続きとなります。

良かったら前編と併せて読んでみてくださると嬉しいです!

 

 

では今日も九尾の狐の他の顔についてお話ししていきましょう。

 

 

その3.花陽夫人(かようふじん)

 

妲己が正体を見破られ、殷から逃亡したその後、

九尾の狐は天竺(現在のインド)の摩竭陀(まがだ)国に再び現れました。

摩竭陀の国の斑足太子(はんぞくたいし)の妃、華陽夫人となってまた傾国を企みます。

 

堂内に集めた1,000人の僧に500人の美女を送り込み「色欲に溺れた悪僧だ」

数十匹の獅子を放ち、その残虐な場面に手を叩いて笑ったり

 

仏道信仰の厚かった「才妃」という妃を

「目があるから仏を敬う」

「耳があるから説法を聞く」

目や耳を矢で射抜き、最後には「泣き声を止めよ」と口まで射抜いてしまう

など暴虐の限りを尽くしました。

 

斑足王子は後を継ぎ王となってからも、仏道を嫌い、読経の声を聞くと悶絶して

病に伏してしまう花陽夫人のためにあれほど厚かった信仰を捨て経文を焼き、

仏像を粉砕したようです。

 

しかし、その内に耆婆(きば)という人物が妖怪ではないかと見破り、

金鳳山中で入手した薬王樹で作った杖で花陽夫人を殴打しました。

 

すると花陽夫人は九尾の狐の正体を現して、北の空へ飛び去って行ったというのです。

 

幕末に人気だった月岡芳年に『和漢百物語』という作品があります。

日本と漢土(中国)を舞台とする怪談を一話ずつ語ってゆくかわりに、

一枚の錦絵が描かれていくのですがその中に「華陽夫人」と題された一枚がありました。

それがコチラ。

 

 

その絵は冷たい美しさを持った女性と、残虐な風景が描かれた絵で何とも言えない妖艶さと恐怖を感じます。

 

 

その4. 褒姒(ほうじ)

 

九尾の狐中国へと舞い戻ります。

周の第十二代の王、幽王の后、褒姒(ほうじ)としてまた西周を破滅に導きました。

 

やはり素晴らしい美貌を持っていた褒姒は、幽王に寵愛されることとなるのです。

しかし褒姒はどんなに幽王につくされても笑顔を見せません。

ある日、幽王は緊急事態の報せである烽火を上げさせ、太鼓を打ち鳴らしました。

諸武将はさっそく駆けつけたのですが、来てみると何ごとも無いので右往左往として

慌てふためく諸将を見た褒姒は、その時に初めて声を上げて笑ったそうです。

 

それに喜んだ王は何もないのに烽火を何度も上げて、諸武将の信用を失い

諸武将は烽火をみても出動することが無くなり、周が本当に攻められたときに誰も集まらず、

幽王は殺され褒姒は捕虜にされました。

 

褒姒はいつの間にか行方知れずとなっており

後に若藻という16歳ほどの少女に化けて吉備真備の乗る遣唐使船に同乗し、

来日を果たしたとされています。

 

 

 

まとめ

類稀なる美女として何度も国を傾けてきた九尾の狐。

今現在、九尾の狐や玉藻前、妲己はゲームやアニメのキャラクターとして

世の男性を惑わしています。

もしかしたら現在も復活の機会をどこかで伺っているかもしれませんね!

 

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カンレン

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