春画で季節を楽しもう~春の巻~

春画で季節を楽しもう~春の巻~

こんにちは春画ールです。

だんだんと気候が温かくなり、

このコラムが公開される頃には美しい春の草木が楽しめる頃ではないでしょうか。

 

 

春画は人間の性の営みを描いた風俗画なので、四季ごとの行事や植物も描かれている。

 

笑いを交えつつ、季節に溶け込んだ生活の中にごく当たり前にある性を描いた絵は

たくさんあるのだから、季節の変わり目ごとに

季節を感じる春画を少しずつご紹介していこうと思う。

 

わたしは浮世絵を楽しむようになり、季節の行事や植物を意識的に楽しむようになった。

 

今回は3月ごろの春を感じる春画をいくつかご用意したので一緒に見てみましょう。

 

 

 

勝川春潮の「好色図会十二候」。

お顔と身体をぎゅうっと密着させて幸せそうに繋がるふたりは窓の外のを眺めながら

おしゃべりをしている。

 

彼「いくら三月でも白酒臼のようだよ。このあとでちゃんと交わろう。」

彼女「どうもこの姿勢じゃ具合が悪いから、おちんちんが外れちゃいそう。」

 

女性が上になり交わるこのような体位を臼にたとえて「茶臼(ちゃうす)」と呼ぶが、

女性から流れる愛液が白く、まるで白酒のようなので

白酒をつくるときに使う「白酒臼」のようだと例えている。

そして三月のひな祭りには白酒を飲むことからこの会話がとてもうまいことが分かる。

 

このように自分の知っている情報の点々を繋げて読み解いていくのも春画の面白いところである。

 

余談なのだが、女上位とも呼ばれる茶臼の体位は男根が女性器から外れやすいのだろうか。

しかしながらパートナーと繋がったまま窓の外の桜を眺めながら「きれい…」なんて

言ってみたいものである。

布団のそばには酒や煙草盆が置かれてあり、ゆったりと交合を楽しんでいることがよくわかる。

 

 

 

磯田湖龍斎の「風流十二季の栄花」より、お花見の春画をご紹介。

 

花見の歴史は江戸よりも古く、鎌倉時代の末頃には地方の庶民の間でも楽しんでいたようだ。

江戸時代になると花見は一層親しまれ、都会の花見ではそれぞれ幔幕(まんまく)を張り

そこに毛氈(もうせん)を敷き酒を飲んだり、弁当を食べる。

 

この図では幔幕の内で花見を楽しんでいた男女がそのうち盛り上がり、

敷いていた毛氈に絡まりながらそのまま幕の外まで出てきてしまったのだろう。

男性は狐の面をかぶり、外に居た娘を見上げている。

娘はその様子に驚いている。

緋色の毛氈が海のように波打ち、交わりの激しさを表現しているようだ。

 

いちばん最初の春画にもあるように花見の幕の中で交合を楽しんでいる構図はよくあるのだが、

必ずと言ってよいほどに誰かがその様子を見ているのだ。

 

ふたりだけの世界で完結させずに第三者に介入させることにより、

「見られている滑稽さ」を含め「性」と「笑い」を密接にさせている。

子孫を繁栄させるための交合もあれば楽しみとしての交合もある。

「互いを想いやる交合は人生のこのうえない楽しみとなる」

なんて書いている性典物も存在するくらいだ。

 

 

 

さて、お次は「雛遊び」の一図である。

北尾重政「閨裡艶談/恵本金衣鳥(けいりえんだん/えほんきんえちょう)」の中からご紹介。

 

早川聞多氏の「春画」の本によると、三月三日に女の子の家に雛人形や桃の花を祀る起源は

判然としないが、平安時代の貴族の子女の遊び事として行われていた記録があるようだ。

雛祭りは「雛遊び」とも言い、始めは「人形遊び」に由来すると考えられている。

 

図中にも書かれているように夫婦一対となっているひな人形は娘が夫婦(めおと)を意識する

ものであり、このような風習から、当時は自然と仲睦まじい夫婦となることへの憧れをも

抱いたのかもしれない。

私自身は幼少期から男女一対である雛人形に全く疑問を感じなかったが、お子さんの中には

「何故に男女一対なのだ」と淡く疑問を抱く子もいるかもしれない。

 

将来わたしが子供にそういう「なんで?」と素朴な疑問を尋ねられたらどうしよう。

対策として今から雛遊びの起源を下調べせなばとぼんやり考えている。

 

 

 

いかがでしたか。今回ご紹介した春の春画はお楽しみいただけたでしょうか。

 

何年も何年も繰り返される四季の中の誰かの人生の1ページとして楽しむと、

さらに癒されたり笑えたりと温かい気持ちにもなってきます。

 

これからも季節ごとに春画をご紹介していきます。

ではまたね。

 

 


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カンレン

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