ニコニコ生放送で聞いた怖い話

ニコニコ生放送で聞いた怖い話

これは筆者がデビューして二年経った頃、

ニコニコ動画の生放送中に寄せられた体験談である。

 

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今から十年前の話だ。体験者の宮田さんは派遣社員として工場で働いていた。

工場が夏休みになった季節のある夕方、スーパーで買い出しを終えた宮田さんは

 

(今日は違う道から帰ってみよう)

 

と思い、通ったことのない道を選んで帰ることにした。

 

ちょっとした好奇心であったのだが、宮田さんは地元でなかったこともあり、

袋小路にはまってしまった。

 

(まずいな、……どっちが正解だ?)

 

やがていつもの道が見え、なんとかそこに行こうと歩いていくと、右手の塀越しにお墓が見えた。

 

(うわ、なんか怖いな……)

 

あたりはとうに暗くなってしまっていた。

時折横を抜けていく自転車のライトのほかに、ぽつりぽつりと距離が離れている外灯だけが

道を照らしている。

 

その後宮田さんは何とかマンションに帰宅し、同居人と自室で二人、お酒を飲んでいた。

酔いが回って同居人は寝てしまい、宮田さんもうつらうつらしてきた。

 

(いいや……夏休みだし、このまま寝ちゃおう……)

 

そのまま部屋の床に横になって眠りについた宮田さんだが、深夜一時にふと目が覚めた。

鍵がかかっているはずの玄関の扉が、バン!!と大きな音を立てて開いたのだ。

 

(えっ!?)

 

驚きすぎて声が出なかった。

大きな音がしたというのに、同居人はいびきをかきながら眠っている。

宮田さんは身体を起こそうとしたが、身体を動かすことが出来なかった。

金縛りにあっていたのだ。

 

部屋の扉越しながら、たしかに誰かが入って来た気配が感じられる。

玄関から部屋へと続くビニールの床を、ぴた、ぴたっと歩く音が続いた。

 

(ヤバイ、こっちに来る……!)

 

音が、二人が寝ている部屋の前で止まった。そして次の瞬間、ふすまが勢いよく開かれた。

 

さり…… さり……

 

今度は畳の上を歩くすり足のような音が聴こえる。

そして、宮田さんの頭のすぐ上で止まった。

 

常夜灯の橙色のあかりが、音の正体を照らす。

 

黒い影が、立っていた。

 

影は、ドライフラワーなどで使うような小さい花の模様が入ったワンピースを着ている。

女性だろうか。

宮田さんは金縛りにあっていて、逃げることは出来そうもない。

恐怖で鼓動が早くなっていることが感じられた。

 

同居人のいびきだけが奇妙な空間に響いている。

 

(お、おかしい……)

 

宮田さんは、恐怖と同時に違和感を覚えた。

たしかに足音がしたのに、黒い影からは、膝から上の気配しか感じられないのだ。

影の顔は、宮田さんをじっと見下ろしている。

 

怖くて同居人を呼ぼうにも、声にならない声が出るだけだった。

 

「ぶぁ……ぼぁ……」

 

唇がうまく動かない。お経をお唱えようとしても声にならない。

震える手をどうにか胸の前で組もうとしたところ、黒い影が少し笑ったように感じられた。

 

“そんなことしても無駄よ”と言ったようだった。

 

冷や汗と身体の硬直が生々しく感じられる中、時間だけが無為に過ぎていく。

やがて外が薄明るくなってきたのと比例するように、身体が少しだけ動くようになった。

 

(よかった、これで助かる……!)

 

その瞬間だった。

 

影の女性の顔がストンっと宮田さんの顔の前に落ちて

 

脚 返して

 

その瞬間、宮田さんは気を失ったという。

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その後一週間、毎晩同じことが続いたそうだ。

宮田さんの知り合いで、そういった話に詳しい人間がいたので相談したところ、

その女性の霊は、

宮田さんが買出しにいった数日前に、あの通りでひき逃げにあった霊だと分かったという。

 

現場には「情報求む」の看板があり、お花が事故現場に添えられていたとのことだった。

 

 

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その際箇条書きで構いませんので怪異体験のことを簡単に記してありますと大変助かります。

(何年前・どこで・こんなことがあった、など)

 

志月かなででした。

 

 


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カンレン

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