LINEを通じた怖い話

LINEを通じた怖い話

これはアマチュアバンドのスタッフをやっている二十代後半の男性・

ヨシキさんの体験談である。

 

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昨年九月、ヨシキさんがバンドメンバーと深夜0時からLINEでビデオ通話をしていた時のことだ。

その時は複数人でビデオ通話を繋いでいたのだが、そのうちメンバーの一人の画面が気にかかる。

二十代前半でドラムを担当しているAという男の画面だ。

 

五畳ほどの部屋で床に座っているA。

その向こうに椅子があるのだが、その椅子の上にAではない気配が感じられたのだ。

 

(あれ……画質が悪くて、後ろにいる人が白飛びしているのかな?)

 

しかし、Aは一人暮らしのはずだった。

しばらくすると、その人影は椅子を起点として、Aの背後を行ったり来たりしはじめた。

真後ろで立ち止まったり、奥から迫って来たりしている。

ヨシキさんは、その白く見える人の線の細さから

(女の子っぽいなぁ)

と思っていたそうだ。

 

主要な打ち合わせを終えて通話を切った後、ヨシキさんはバンド内のグループラインに、

Aをからかうつもりでラインをした。

 

“今日、誰かいるのー?”

 

するとすぐに既読があり、Aから返事があった。

 

“えっ 誰もいないよ”

 

そこで、ヨシキさんは白い人影が見えたこと、動いていたことを説明した。

するとAが大変怖がったため、今度はメンバー全員での通話ではなく、

Aと二人で通話をつないだという。

 

「どうしよう、どうしたらいい?」

 

既に深夜二時をまわっており、Aはひどく怯えていた。

 

「家に塩撒いて、それから友達のところにでも泊めてもらいな」

 

ヨシキさんはその時点で出来るアドバイスをして電話を切った。

 

その瞬間、妙なことにヨシキさんの部屋の空気がぐっと重たく感じられた。

 

(なんか嫌な感じだな……早く寝よう)

 

翌朝も仕事で、早朝五時には起きなくてはならない。

睡眠時間は三時間足らずとなってしまうため、出来るだけ早く寝付きたい。

が、部屋の妙な雰囲気も相まってなかなか寝付くことが出来ない。

 

(最悪だ……全然眠れない)

 

ヨシキさんが布団の上で目を閉じていると、やがてサイレンとも唸り声ともとれるような音が

短く二回聞こえて来た。

 

ううう…… ううう……

 

(一体、なんなんだ……?)

 

音。あるいは声は、玄関へ続くドアの向こう、

キッチンから聞こえてくるように思われた。

 

それからまたしばらくすると、今度は女性の笑う声が聴こえた。

 

フフフッ

 

体感で、もう睡眠時間がほぼないことがわかっていたため、ヨシキさんはイライラしてスマートフォンの待ち受けで時刻を確認した。

四時十一分だった。

 

翌朝、ヨシキさんはLINEで、Aさんに向けて事の顛末を伝えた。

 

“昨日こんなことがあってなかなか眠れなかったよ”

 

するとAさんがこんな話を始めた。

 

“マジかよ。俺、あれから家に塩撒いて、友達の家に行ったんだ。それで……”

 

Aさんの話はこうだった。

昨夜ヨシキさんとの通話を終えたAさんは、友人の家に逃げ込んだという。

 

“これ、見て”

 

送られてきた画像は、Aさんの入眠アプリのスクリーンショットだった。

スマートフォンには入眠アプリというものがある。

使用者が何時に眠りについたか、どの時刻に眠りが浅くなるかが分かったり、

寝言を言っていた場合は録音もされるという代物だ。

Aさんはこれを利用しており、ヨシキさんに一枚のスクリーンショットを送ってきた。

入眠アプリによれば、Aさんの入眠した時間は、四時十一分だったのだ。

 

奇妙なシンクロニシティにうすら寒さを感じていたところ、その日からヨシキさんの身の周りで

怪異現象が続くこととなってしまった。

キッチンから聴こえる物音がひどかったり、寝付いた頃にドア付近に気配と視線を感じて

目が覚めてしまったり、三日ほどまともに眠れなかったという。

首と右肩に、肩こりとは違った重さがあり、焦点が定まらず、最寄り駅のホームで

落ちかけたこともあった。

 

(お祓いに行こう……)

 

ヨシキさんはインターネットで調べ、厄除けを行ってくれる代々木八幡宮へお祓いに行った。

これまでにもお祓いに行こうかという出来事は何度かあったそうだが、実際にお祓いに行ったのは

これが初めてだった。

 

代々木八幡宮の鳥居をくぐった瞬間、ヨシキさんは激しい吐き気に襲われた。

(うわっ……気持ち悪ぃ)

 

吐き気をこらえ、どうにかお祓いを終えて家に帰った。

それから三日の間は、気配を感じたり、物音が聴こえたりするのが続いたそうだ。

夜は眠ろうと思ってもなかなか寝付けず、物音や気配によって目が覚めるのは、

決まって二時、あるいは四時だったという。

 

四日目からは何も起きなくなった。

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「二と、四と……。関連性は分からないんですけど、今でも時計を見てその数字があると、

ちょっとドキッとしちゃうんです」

 

ヨシキさんはそう話してくれた。

 

 

実話怪談があるよ!記事にしても良いよ!という方は、

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までお寄せくださいませ。

その際箇条書きで構いませんので怪異体験のことを簡単に記してありますと大変助かります。

(何年前・どこで・こんなことがあった、など)

 

志月かなででした。

 

 


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カンレン

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